赤ひげ会

                           「赤ひげ会」についてご紹介します。
ここで紹介する「赤ひげ会」とは、タイ王国の東北(イサーン)農村に暮らす子どもたちへの教育支援を行う、日本の市民グループのことです。「赤ひげ会」は、東北タイを拠点に活動する現地団体である「アジアこども教育センター」(ACEC)に資金援助等をおこなうことで、東北タイ農村の子どもたちへの支援活動を進めています。
グローバル教育フォーラムは、この「赤ひげ会」と相互協力関係をつくりあげていきます。当面は、相互のHPやブログを通じての活動紹介を行っていきます。そのなかでさまざまな活動への参加を呼びかけていきます。
「赤ひげ会」は、拓殖大学主催の2つの公開講座(アジア塾、国際開発教育ファシリテーター養成コース)のオプション企画である「海外開発現場研修」に参加した社会人受講生のみなさんを中心に結成されました。この企画は、ふだんの観光では訪れることのできない、アジアの農村や都市スラム地区などの、いわゆる開発をめぐる現場を訪問するというものでした。
「赤ひげ会」結成に至った経緯は次の通りです。
  • 2009年夏、拓殖大学国際学部赤石ゼミとの共同開催として、11名がタイとラオスを訪問。タイでは、バンコクのスラム地区などの他に、東北タイのコンケン市を拠点に活動していたアジアこども教育センター(ACEC)の案内で、東北タイ(ガラシン県)のノンタオハイ・ノンゲー村を訪問。農村内の小学校でのACECの活動視察、農民との交流を実施。同小学校に宿泊(2泊)し、子どもたちとも交流を深めました。
  • 2010年夏、前年参加者のうち有志5名が、再度ACECの活動現場訪問。何をすることがACECをもっとも効果的に支援することができるかを考えることに。その結果、現地での活動に直接責任をもつACECを資金面でサポートすることが最も効果的であるとの結論を得ました。
  • 2011年、ACECへの資金送金を開始するにあたり、「赤ひげ会」の名称が定着。当面は5年間の期限付きで、年に2回送金することとなりました。しかし5年が経過したのちも継続し、現在に至っています。その間、赤ひげ会メンバーも、当初の拓大公開講座参加の社会人メーバーに加えて、拓大国際学部卒業生、国学院大学経済学部卒業生などに層が広がってきました。
これまでの「赤ひげ会」の資金援助、またACECの最近の活動状況(概要)を報告します。以下は、河崎早弥加さん(「赤ひげ会」会計責任者、本フォーラム運営委員)作成の同会活動報告を基に、本フォーラム用にまとめたものです。
詳細の活動報告、またACECの活動状況(写真など)は、「赤ひげ会」のURL等から見ることができます。
(1)赤ひげ会の活動
年2回(3月末と9月末)ACECへ支援金を送金。またアジア子ども教育センターから発信される活動状況をもとに、日本国内で活動内容を見やすく編集したブログを発信しています。主な記事は移動寺子屋教室の活動報告、奨学生の紹介など。コロナ禍前は送金後に赤ひげ会の集まりを開催し、近況報告の場を設けてきました。またACECの活動現場訪問(タイ東北部農村など)ツアーも実施してきました。2021年は新たな試みとして、オンラインを活用したバーチャル現場訪問、ACECスタッフを囲んだ国際セミナー等をめざして準備を進めています。
(2)支援金の送金状況
赤ひげ会の送金は、拓大公開講座参加者、同国際学部卒業生、國學院大學経済学部卒業生他によって担われています。2011年の開始から2020年まで10年間にわたって送金されてきました。2021年も3月と9月に送金実施を行う計画です。赤ひげ会は、ACECの活動を支援する人々の輪が、さらに広がっていくことを期待しています。支援金は1,000円以上から任意です。
【赤ひげ会口座】
ゆうちょ銀行
店番 008(ゼロゼロハチ)
普通預金 7729456
口座名 アカヒゲカイ
(3)アジアこども教育センターの活動
アジアこども教育センター(ACEC)の活動は、日常的には移動寺子屋教室、奨学金支援、寺院活動の補佐などが中心です。これまで日本からのスタディツアーも受け入れてきました。ACECの事務所は東北タイのコンケン県コンケン市にあります。コンケン大学教育学部卒業のニッタヤー・アンシラーさんが責任者(代表)です。
以下はACECのメイン事業である「移動寺子屋教室」「奨学金支援」の最新報告一覧です。
  • 移動寺子屋教室~2021年度予定の移動寺子屋教室の開催小学校
東北タイの6県10校にて活動を行う予定です。移動寺子屋教室とは、当該小学校を実際に訪問して、1か月に2回程度、約1年間にわたって、本に親しむ活動などさまざまな教育活動を行うものです。終了後は必要な図書を寄贈します。
  学校名(英文) 所在地  児童数(人)
1 Ban NanoiSansuk School   ルーイ県 54
2 Ban Maidaeng School ブリラム県 150
3 Ban Nongeain School ブリラム県 73
4 Ban Poochaw School ペチャブーン県 50
5 Ban wanghel School ペチャブーン県 52
6 Nontaohai Nongkae School ガラシン県 49
7 Ban Donklang-Tungkamtae School ウボンラチャタニー県 70
8 Ban Sang School ウボンラチャタニー県 65
9 Ban Nongmaklua School サコンナコン県 165
10 Trikamsrianusorn School ブリラム県 146
  • 奨学金支援
現在奨学金支援を行っている人数は33名。ACECの奨学金は返済を必要としない給
付型奨学金です。移動寺子屋教室で訪問した小学校の先生からの評価、また子どもたちの家を訪問して家庭状況や本人からの聞き取り(学習意欲、人間性)などの評価を基に、奨学金を支給するかどうかを決めているとのことです。小学生は年間1000バーツ、中学生は年間3000バーツ、高校生は年間6000バーツの一律支給。一方、職業訓練校(専門学校)生、大学生は在学先の学費や経済状況をみて個別に判断して支給されています。奨学金の原資は、赤ひげ会送金とは別に、日本から個別またグループごとに送金されています。1バーツ=約3.6円(2021年3月現在)の計算で、どの学年の子どもたちを支援するかを決めていきます。原則として在学期間(小学生は高学年2年間)フルに支援していきます。タイの教育制度は日本と同じで、6-3-3-4制です。なおこの奨学金は、現地の寺院や市街地の人々によっても支給されています。現金の他に、学習資材現物(文房具、体育着等)も給付されています。
学校区分
奨学生数
所在地
奨学金(THB)
一人当たり年間
小学生
3名
コンケン県(2名)
ナコンラチャシーマ県(1名)
  1,000 
中学生
22名
サコンナコン県(1名)
ペチャブーン県(8名)
アムナートチャルン県(2名)
ムクダハン県(3名)
チャイヤプーム県(1名)
コンケン県(4名)
ウボンラチャタニー県(1名)
ナコンラチャシーマ県(2名)
   3,000 
高校生
2名
ペチャブーン県(1名)
サコンナコン県(1名)
   6,000 
大学生
12名
ウボンラチャタニー県(4年生)
サコンナコン県(3年生)
サコンナコン県(1年生)
ペチャブン県(3年生)
ナコンパトム県(3年生)
ガラシン県(5年生)
バンコク(3年生)
バンコク(1年生)
コンケン県(4年生)
ナコンラチャシーマ県(3年生)
ラチャブリ県(1年生)
チェンマイ県(2年生)
    15,000 
12,000
12,000
12,000
15,000
15,000
15,000
12,000
15,000
12,000
12,000
12,000
職業訓練
2名
コンケン県(1名)
サラブリー県(1名)
12,000
5,000
■赤ひげ会ブログ
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